チラシ作成におけるマーケティングの第一歩として、自社がターゲットとするセグメント(購買行動において似通っている顧客層)を選定し、セグメンテーション(共通するニーズに着目し、市場を意味のある集団に分類すること)を行います。市場全体にアプローチするのか、またはある特定の市場にターゲットを絞るのかにより、チラシ作成の方向性がより具体的になってきます。
主なセグメント項目
【主なセグメント項目】
1.地理的変数(地理的分割) | 国、州、地域、郡、都市、地元エリア・気候など |
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2.人口動態変数(人口動態分割) | 年齢、家族構成、性別、所得、職業、教育水準、宗教、 人種、世代、国籍、社会階層など |
3.心理的傾向変数 | ライフスタイル(常識家、芸術家、指導家、職人など) パーソナリティ(社交的、保守的、衝動的、野心的など) |
4.行動変数 | 求めるベネフィット(経済性、機能性、デザイン性など) 購買歴(ノンユーザー、ヘビーユーザーなど) |
市場セグメンテーションの一例
スーパーマーケットなど、
最寄品を扱う小売店の場合
- 地域(商圏)でのセグメント
- 性別・職業(専業主婦など)でのセグメント
- 購買層(常連客)でのセグメント
エステサロンなど、
美容サービスを提供する店舗の場合
- 地域(商圏)でのセグメント
- 性別(女性)でのセグメント
- 所得(富裕層)でのセグメント
- パーソナリティ(社交的)でのセグメント
- 購買歴(初見客)でのセグメント
リフォーム・ハウスクリーニングなど、
訪問サービスの場合
- 地域(商圏)でのセグメント
- 年代・家族構成でのセグメント
- 所得(富裕層向け・低所得層向け)
でのセグメンテーション - ライフスタイル(戸建・マンション)でのセグメント
- 求めるベネフィット(機能性、デザイン性)
でのセグメント
セグメンテーション市場における顧客分析
顧客とは、主に潜在顧客の分析を指しており、具体的には、購買人口、潜在顧客のニーズ、購買決定者、購買要因、購買決定プロセスなどがあげられます。チラシは主に地域(商圏)に特定した販促媒体であることから、企業はチラシ配布エリアの潜在顧客をよく知らなければ、効率的かつ効果的なマーケティング戦略を設計することはできません。
購買人口 | 潜在顧客の想定人数、潜在地域、年齢層、男女比など |
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購買決定者 | 購買決定者(意思決定者)は誰か、購買を後押しするのは誰か |
購買要因 | ブランド、価格、市場浸透性、興味など |
購買決定 プロセス |
いつ、どこで、なにを、どのように、いくらで購買を行うのか |
経営資源にゆとりのない中小企業の場合、セグメントの選定が重要になってきます。市場が小さすぎると経営が成り立たず、大きすぎると大手企業との競争に巻き込まれる可能性が高いことから、自社にとって魅力的であり、他社が真似できない自社優位性の高いセグメントを選定し、その中からターゲットとする市場を選択することが、その後の成果を大きく左右する要因となります。