価格戦略は、集客力に多大な影響を及ぼし、かつ顧客の購買意欲にも直接的な影響を与えることから、マーケティング戦略の中でも最も重要な要素であると言えます。自社商品の特性を見据え、「リピーター獲得」「ついで買い」などを見込みながら、戦略的に価格設定を行う必要があります。
チラシ掲載価格の設定方法
本来商品価格は様々な要因の影響を受け設定されていきますが、チラシは一般的に集客を目的とした販促媒体であることから、チラシ掲載価格の設定では、本来の価格設定とは異なりるバリュー価格設定を行います。
またバリュー価格設定は、競争環境やマーケティング戦略により左右され、製造コストや仕入れコストを下回ることも珍しくありません。これは期間を限定し、一気に市場シェアを獲得することで中長期に渡るリピーター獲得を目的としており、そこには必ず潜在的な広い市場が存在します。
競争環境を見据えての価格設定
チラシ掲載価格を検討するうえで、最も影響を受けるのが競争環境です。特に差別化のしにくい商品の場合、競合他社よりも高い価格設定を行えば集客力が著しく低下し、低い価格設定を行えば集客力が高まります。競争環境に左右されず価格設定を行いたければ、差別化された商品を自社開発し、価格とは別の付加価値(機能・デザイン・ブランドなど)で興味誘引を図らなければなりません。
コスト志向での価格設定
市場に流通する製品は、製造コストやカスタマーバリューから設定されています。その設定方法は多種多様で、製品の数だけ細分化されると言っても過言ではありません。では、主にどのように設定されているのか、詳しくご説明していきます。
需用価格設定
需用価格設定とは、顧客層(学生、社会人、男性、女性など)、時間帯(日中のアイドルタイム、深夜時間帯など)、場所(エコノミー、ビジネス、ファーストなど)によって異なった価格を設定していく手法です。携帯電話業界では、通話料や基本料の「学割」や、「深夜料金」など、需要価格設定を複合的に行っていることが分かります。また、OEM製品と一般製品では、中身は同じ製品であっても価格設定が異なり、近年では、イトーヨーカドーやセブンイレブンを運営するセブン・アイ・ホールディイングスがOEM製品に力を入れ、製品の低価格化と利益の最大化を図っているのが分かります。
実勢価格
実勢価格とは、競合他社の価格設定を十分に加味したうえで、自社製品の価格設定を行う手法で、多くの業界で用いられています。プライスリーダーが存在する業界では、プライスリーダーが価格設定を行い、2番手以下の企業はプライスリーダーの価格設定を元に、競争他社の状況を踏まえて価格設定を行います。
価格設定手法を理解し、競争環境を見据えながらチラシ掲載価格を決定することで、集客力のある費用対効果の高いチラシ作成が実現できます。チラシ掲載価格の設定時は、直接的な利益だけではなく、中長期での資金回収を見越した価格設定を行うことが大切です。